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Claude Codeの開発責任者がワークフローを公開、開発者コミュニティが注目

2026.01.05 VentureBeat
AnthropicのClaude Code責任者であるBoris Chernyが自身の端末上での作業手順をX上で公開し、開発者コミュニティで大きな反響を呼んでいる。Chernyの投稿は当初「個人的なターミナル設定」の共有として始まったが、ソフトウェア開発の将来を示す実践的な手法として広く議論されるようになった。

Chernyのもっとも特徴的な点は、開発を線形に行わない運用だ。彼はローカルのターミナルで「5台のClaudeを並列に稼働」させ、タブを1〜5と番号付けしてiTerm2の通知で入力が必要なエージェントを把握するという。1つがテストを回している間に別のエージェントがリファクタリングを行い、さらに別のエージェントがドキュメントを起草するなど、複数の作業フローを同時に管理している。ブラウザ上でもclaude.aiに5〜10台を立ち上げ、「teleport」コマンドでセッションを行き来させる手法も併用している。

興味深い点として、Chernyは遅くて大きいモデルであるAnthropicのOpus 4.5を主要なコーディングモデルとして採用している。遅延が大きいにもかかわらず「修正の手間が減るため結果的に早くなる」としており、トークン生成速度よりも人間が修正に費やす時間のほうがボトルネックであるという見方を示した。これはAnthropicの「少ない資源で多くを成す(do more with less)」という方針とも整合する。

チームは「AIの記憶不足」問題にも対処している。リポジトリ内にCLAUDE.mdという単一ファイルを置き、Claudeが誤った動作をした際はそこに追記して次回以降同じ誤りを繰り返さないようにしている。プルリクで人間が修正を加える際、単にコードを直すだけでなくAIの指示やルールを更新することで、ミスが「ルール」へと変換され、エージェントが徐々に賢くなる仕組みだ。

作業の自動化にはスラッシュコマンドやサブエージェントを多用している。例として毎日何度も使うという/commit-push-prコマンドを挙げ、git操作やコミットメッセージ作成、プルリク作成などの手続きをエージェントに任せる。コード簡略化用やE2Eテスト用の専門サブエージェントも運用している。

検証ループが品質向上の鍵である点も強調された。ChernyはClaude用のChrome拡張機能などを使い、AIが変更点を自らブラウザでテストし、UIやエンドツーエンドの動作を確認して反復することで「2〜3倍の品質向上が得られる」と述べる。AIが単にコードを生成するだけでなく、自分の出力を検証して動作を保証する点が重要だという。

コミュニティ内ではこの一連の手法を「単なるオートコンプリートではなく、労働のためのオペレーティングシステム化」と評価する声もある。Chernyの公開したワークフローは、AIを補助ツールと見なすか、労働力として編成するかという考え方の転換を促しており、これを受け入れる開発者は生産性を大きく高める可能性があると指摘されている。なお、報道によればClaude Codeは短期間で年間経常収益(ARR)10億ドル規模に到達したとされ、今回のワークフローはその急速な成長の背景を示す事例の一つと見なされている。
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